機械・プラント製図 機械製図CAD作業 2級合格の手引き

プラント製図2級

このブログでは主に自転車など趣味に関することを書いていますが、ここ数年で仕事の関係で機械・プラント製図の機械製図CAD作業2級、1級と受験し合格し、今年の実技試験の時期も近づいてきたので今後受験される方のなにか役に立つかなと思い勉強方法について書いてみます。

とりあえず今回は2級編です。

機械・プラント製図(機械製図CAD作業)の資格とは?

技能検定は、「働く人々の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明する国家検定制度」です。その中で機械・プラント製図(機械製図CAD作業)はCADによる機械製図作成に必要な技能・知識を検定するものです。

技能検定の合格者には、厚生労働大臣名(特級、1級、単一等級)または都道府県知事(2級、3級)の合格証書が交付され、技能士と称することができます。

機械・プラント製図(機械製図CAD作業)2級取得に求められる能力

技能検定には学科試験と実技試験があり、両方に合格する必要あがります。

学科試験では製図一般、材料、材料力学一般、溶接一般、力学・液体・熱・電気などの基礎などに関する知識が問われ、技能試験ではCADを使って組図から部品図を作成します。

受験資格・受験方法

会社や学校などから受験申し込みする場合も多いと思いますが、個人で受験申し込みする場合は中央職業能力開発協会(JAVADA)より受験方法を確認します。

試験実施等の業務は各都道府県職業能力開発協会が行っていて、上のリンクから例えば大阪府職業能力開発協会を辿ると技能検定課へ電話確認と記載されています。

過去問の入手方法

過去問の入手方法は3通りあります。

  1. 技能検定試験問題公開サイト
  2. 試験対策の書籍を購入する
  3. 各都道府県職業能力開発協会に行き有料でコピーをしてもらう

技能検定試験問題公開サイトで学科試験、実技試験とも過去3年分の試験問題と解答が公開されています。しかしながら閲覧のみで印刷ができないのであまり役に立ちません。

次に書籍を購入する方法ですが、学科試験は後述するように必ずしも試験対策の教科書的なものが必要ではないのと、実技対策の書籍は付属する図面が小さくあまり実用的ではありません。

おすすめはお住まいの都道府県の職業能力開発協会で過去問をコピーしてもらう方法です。地域によって異なるかもしれませんが、大阪府では一部300円程度でコピーがもらえます。実技の問題は実寸ではなくA3でしたが書籍付属の図面よりは大きく実際の試験に近い練習ができました。

学科試験対策

機械・プラント製図(機械製図CAD作業)2級の学科試験の内容は、マークシート方式で全50問、試験時間は1時間40分です。

真偽法のA群25問と4択のB群25問で構成されています。100点満点のうち、65点以上で合格です。

学校で機械系の勉強をしていたり、実務である程度機械設計をしたことのある人であれば難易度は優しめです。さらに多少分からない問題があっても65点で合格で、さらに過去問と同じ問題が多く出るため勉強法としては過去問3年分をやって間違えた問題をネットで調べる程度で十分合格できます。

ということで、過去問をやれば試験のために特別な参考書などは特に必要ないでしょう。当日遅刻をしない、名前をちゃんと書くなどつまらないことで落ちないように注意しました。

実技試験対策

機械・プラント製図(機械製図CAD作業)2級の実技試験は結構難しいです。

内容は機械の組立図から部品図を作図するというもので試験時間は4時間です。ポイントは3点です。

  1. 鋳物の図面が出る
  2. 時間が足りない
  3. 最新のJISに基づいて作図する

特に時間が厳しく、練習を十分にしないと合格は難しいでしょう。逆に、図面自体は見慣れない(人が多いであろう)鋳物であることを除けば描けばいつかは完成するものなので過去問で本番同様に時間を測り繰り返し練習すれば確実に合格できます。

おすすめ参考書

最新のJISに基づく機械製図の教科書と便覧を買い、教科書は一通りさらっと読んで記号等が自分が普段書いているものから更新されていないか確認しておくと良いです。

機械製図の教科書は左の本がおすすめです。右は機械屋には説明不要の便覧です。JISは表面粗さの記載など細かい部分が変わっていたりするので古いものを持っていましたがこの際買い直しておきました。

実技試験対策本も買いましたが、前述した過去問を入手していたので必ずしも必要では無いと思います。

実技試験で使用するおすすめの持ち物

実技試験で必要な持ち物は試験要領や受験票に記載されていますが、その中で買ってみてよかった、または買わなくてもよかったものを紹介します。

電卓

関数電卓やプログラム機能付きの電卓は使用できません。いわゆる普通の電卓を使う必要があります。私の場合、机の正面はキーボードを少し奥にずらして眼の前は図面を置きながらCAD操作したので電卓はどうしても手を伸ばした遠い位置に配置します。なのでボタンが大きく、本体もそれなりの大きさ、重量で遠くからでも押しやすい電卓を選びました。

下は実際使用したMILANの電卓です(色違いのグレー)。かわいらしさがGoodですが押しやすさでいえばカシオかシャープの方が勝ります。

また、遠くから斜めに見る感じになるため、下の商品のように表示部に傾斜が付いたものであればなお良かったと試験が終わってから思いました。

定規

A2の図面から採寸するため30cm定規が必要です。下のステッドラーの方眼が印刷された定規はある程度直行する線に定規を合わせられるので使いやすかったで す。

30cmに加え、15cm定規も持っていた方が良いです。15cmを超える採寸は外形くらいなのでほとんどの寸法は30cm定規は邪魔で使いにくいため15cm定規を多用することになりました。 これも定規の下の線が見える透明プラスチックが使いやすく、ステッドラーの定規を使用しました。

三角スケールをおすすめする人もいますが、自分にとってはいちおう買いましたが試験では使わず不要でした。試験問題は1:1か1:2で出題され、1:2だと縮尺通りにそのまま読める三角スケールは便利に見えますが目盛りが細かく読みにくいのと、練習中に1:2で読んでいたつもりが1:1のスケールを使ってしまっていたというミスをしたので試験では普通の定規を使い素直に電卓で倍率を掛ける方法を選びました。普段から三角スケールに慣れている人はこちらの方が使いやすくて早いかもしれません。

三角スケールの有効な使い方として、コピーダウン用というものがあり、1:√2の縮尺でA2の問題をA3に縮小コピーした寸法を読むという使い方ができます。A3の試験問題で練習を行う場合はこれを使うのが便利です。

三角定規は使いませんでした。直角が取れるため大きな三角定規をおすすめしているサイトを見て実際に買ってみましたがその大きさに取り回しが大変だし場所を取るので。

分度器は念の為用意しましたが使用しませんでした。角度を測りそうなところとして面取り、ピッチ円上の穴の配置、リブなどが思いつきます。面取りは基本的に問題文に角度が指定されています。ピッチ円上の穴は基本等分配置なので角度図る必要は無かったです。リブ等の斜め形状はもしかすると角度測る場合があるかもしれませんが基本縦横の長さで描いていました。邪魔にはならないので念の為持っていった方が良いと思います。

ペン

名前を書くのに必要な鉛筆・シャープペンシルとは別に試験問題への寸法等書き込み用にフリクションカラーボールペンを持っていきました。試験問題はあたりまえですが黒一色なので黒で寸法を書き込んでいくと何だか分からなくなってきます。自分の書いた文字がひと目で判別でき、消すこともできる安心感があるフリクションがおすすめです。

色は完全に好みですが、見やすくて目にも優しいライトブルーがしっくりきたので愛用しました。

何色か用意して色分けしたり、蛍光ペンで部品外形をなぞる方法などもありかと思います。ただ、こういった方法も試しましたが結局面倒だし外形なぞり間違えたりしたら逆にもう大変になってしまったのでシンプルに自分の好きな色で1色に落ち着きました。

練習方法

書籍、持ち物などについて書いてきましたが一番重要なのは言うまでもなく練習です。合格点は100点満点中60点なので、実は図面が完成さえすれば結構雑でも受かるはずです。 図面が未完成だと採点されないので時間内に図面を完成させ、致命的なミス(別の部品や左右反対に描いてしまうなど)をしないことが目標になります。 ポイントは3点のみです。

  1. 過去3年分の試験問題をやる
  2. 本番同様4時間きっちり測る
  3. 回答例と描いた図面を見比べて自己採点する

過去3年分の試験問題をやる

近年の試験問題は「鋳物」です。形状がRだらけになるので切削や製缶物をメインで設計してきた人には馴染みがあまりなく描きにくい形状です。1,2回描けば形状を把握するのも慣れてきて注意点が分かってきます。ねじ穴、下穴の指示や表面粗さ、テーパピン、ザグリ記号など完全にJIS通りに描いている会社など少ないはずなので一度自分の描き方との違いを注意してみましょう。過去問を3年分やればそれ以上何かする必要は無く、練習の題材としては十分です。

本番同様4時間きっちり測る

いきなり1回目の練習から時間を測ることが重要です。図面が未完成だと採点されず不合格になるのでとにかく4時間内にどこまでできたかを把握して次に4時間内で終わるにはどうしたらよいかを考えましょう。

試験時間は休憩時間10分を挟んで90分、90分、60分なので初めの90分で図枠、名前と外形、次の90分で形状は完成、主要寸法、最後60分で細かい寸法、表面粗さを入れるなど時間ごとの目標を決めていきましょう。

私の場合は3年分やればなんとか時間内にすべて終わらせられそうな感触で、さらに同じ問題を2年分、計5回することで確実に終わらせられるだろうと自信がつくまでになりました。

回答例と描いた図面を見比べて自己採点する

寸法を入れる基準面や正面図、側面図、平面図のどれに寸法を入れるかなど、自分の描いた図面と回答例がけっこう違っていたりします。おそらく寸法が入っているかを採点していると思うので違いはそれほど気にする必要は無いかもしれませんが、よく考えながら回答例を見てみるとそれなりにリーズナブルで統一された考え方で寸法を入れているのがわかります。実際の試験の採点時に使用される回答例もこのような寸法の入れ方をする、と知っておくと試験であまり迷わずサクサク寸法を入れていけます。

CAD環境

試験で使用するCADとその設定については受験場所で事情が異なると思います。事前に確認できるのであれば問い合わせしておくと良いです。特にマウス、キーボードなどを持ち込みできる会場である場合は普段使用しているものが使えるので大きなメリットになります。

使用するCADについて

使用するCADの種類は普段使用しているもので受験することになると思いますが、ねじ等のライブラリが使用できるかなど確認しておきましょう。

試験開始前の30分でCADのカスタマイズもできるため、慣れた線種やショートカットキーなど、どの程度まで登録するかも考えておくと良いでしょう。

マウス、キーボード

受験会場によってはマウス、キーボード、モニタなどを持ち込める場合もあるようです。 この場合、マウスやキーボード自体に内部メモリを持ちハードウェアマクロが設定できるものを選び CADで使うショートカットを登録しておくと大きなアドバンテージになります。

これはちょっと裏技的なやり方だと思うので持ち込みできればラッキーくらいに考えておいた方が良いですが。

例えばマウスのDPI切り替えキーにねじ部品の呼び出しを割り当てたり、キーボードのファンクションキーに レイヤ切替や線種切替を割り当てたりすると作業が捗ります。iCADの例ですが下の記事を参考ください。

まとめ

機械・プラント製図(機械製図CAD作業)2級は学科、実技とも過去問を3年分やることで確実に合格する力が身につきます。 実技に関しては時間が足りないことが一番難しい部分なので使い慣れた製図道具、CAD環境を作ることで時短を狙いましょう。

以上、これから受験を考えている方へのアドバイスに少しでもなれば幸いです。

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